黒死館殺人事件

読むのは二回目。大乱歩の序文がこの小説をよくあらわしていると思う。

それどころか、作者が故意に裏向けにした程あって、そこには探偵小説的なるあらゆる興味、探偵読者をして随喜渇仰せしめる所のあらゆる魅力、怪奇犯罪史、怪奇宗教史、怪奇心理学史、怪奇医学史、怪奇建築史、怪奇薬物史等々々の目もあやなる緯糸と、逆説、隠喩、象徴等々の抽象論理の五色の経糸とによって織り成された一大曼荼羅が、絢爛として光り輝いていたのである。

途中で挫折しないようにがんばろうっと。